散歩好き

井の頭公園で犬とまったり。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

1bfbbc7fa85f4102b6e07bbbb6023f23

シアタス調布で「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」を観てきました。

封切から時間が経っているとはいえ、この話題作を日曜日に観に行って一番大きなシアターなのにびっくりするほどスッカスカの入りというのは、この映画館が人気がないのか、この映画が思ったほど売れてないのかどちらなのか。

とはいえ、やはりオープニングの曲が流れるとやはり中学生の頃から見続けている映画の魅力には勝てず、胸がワクワクしてしまいます。名曲ですよねえ。

 

3a8aa80e1df84ea9955f13eff1403a5e

そりゃあいろいろ衝撃的だよ。

さて、スター・ウォーズには欠かせないアイテムというのがいくつかあります。

・ヒーローとしてのルーク・スカイウォーカーの絶対性。
ジェダイの神聖
・正義の象徴としてのレイア姫
・絶対悪としてのダース・ベイダーとそのフォルム。
・聖具(ビームサーベル、聖なる書など)

これらを厳かに継承することで偉大なるストーリー「スター・ウォーズ」は完成されてきたのですが、今回これをことごとくぶち壊すという、ものすごい冒険をやってのけました。たとえるなら「勧進帳」の次回作に義経と弁慶が出てこないくらいすごいことです。

スター・ウォーズ」はうまく使えばコンスタントに新しい観客を増やしながら長く興行できるある種テーマパーク的な美味しいアイテムと言えましょう。私のように子供、またはごく若いうちに刷り込まれた楽しさはなかなか忘れられないですよねえ。

その美味しいところを敢えて捨て去り、「これから私たちが新しくレジェンドを作っていくのだ」という姿勢はすがすがしく勇敢です。

しかしながら、それはこの作品の魅力がものすごいレベルに達した時に初めて成立することで、残念ながら今回のにおいては「素晴らしいスピーチをしたまだ何もしていない中学生」のように肩透かしを食らった作品であるとも言えるのです。

まず、セリフがのどに引っかかるのです。

戦闘機が壊滅的打撃を受けた際「メーデーメーデー[E:sign01]墜落する[E:sign01]」
うーん、宇宙空間での墜落とはどのような状況なのでしょうか。どうもわからん。

そして敵を攻撃する方法がねえ、宇宙空間なんだけど「投下」するらしいんですよ。ガチャガチャ機内でぶら下がってて。で、自分を守る機能は一切ないっぽくて、敵にやられ放題でして、なんかマシンガンの前に丸腰の人がただ「攻撃のために歩いてくる」みたいな変な気分になりました。

いちいちあげつらっていてはキリがないのですが、軸となる脚本もどうかしてるとしかいえない。町山氏はこの共和国の「逃げて逃げて逃げまくる」戦略には元ネタがあって、それを下敷きにしているということですが、この戦略に一体何の意味があるのか、さっぱりわからん。大きな組織の上に立つ人は独裁ではなく、ほとんどの場合には合議制で戦略を練り、実行していくものでしょう?全然戦略の方向性を皆に示さずただ撃たれるだけ撃たれまくって無為に仲間を殺すだけ殺してって、はたしてここに正義はあるのか。窮地に立つっていうのはやることやってから立つもんで、これは撃たれたくて撃たれてるとしか見えない。物語の根幹ががこれではいくら気の利いたジョークがあったり強烈な演技力の役者さんがいても感情移入はムリですよ。

ネットでも話題になってますが、ライムスター宇多丸さんがこの辺酷評してらっしゃいますが本当にごもっともなご意見だと。

スター・ウォーズ」が「スター・ウォーズ」たるためのアイテムを全部捨て、新しい航路に船出した新スター・ウォーズは、なんと次回作は違う監督で撮ることが決まっています。こんだけ破壊活動しておいて「あとはお願いね[E:heart01]」てか。こりゃあ監督さん大変だよ。ある意味、いや、どんな意味でも次回作は観ずにはおられないでしょう。あれ?ちゅうことは今作は次につなぐ意味で成功ということになるのか?

…分からんわー。でもとりあえずは2度は観ない。