散歩好き

井の頭公園で犬とまったり。

ナイル殺人事件

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BBC製作デヴィッド・スーシェ主演のポワロが好きすぎて暇があったら録画したデジタルリマスター版を流している私がケネス・ブラナーの「ナイル殺人事件」を観に行きましたよ。

そもそもケネスの何処がポワロなのかという素朴な問題と、なにしろスーシェがポワロとして完璧すぎるので、他のポワロは別のものとして作らないとキツいのです。

ケネスポワロ第1作目「オリエント急行殺人事件」はその点秀逸で、ケネス独自の「闘うポワロ」を全面に押し出して大成功。ガイ・リッチー監督版「シャーロック」と被るところは多少あっても、スーシェ版では走りもしないポワロが大乱闘を見せ、これはこれで面白いな‼️となったのですが、今作は苦悩を全面に押し出す形になっています。

才能に溺れ策に溺れた自分は愛する人まで失ってもまだ同じ事を繰り返した、その反省から自分を偽り飾ることはやめ原点に立ちかえるのだと。

関係ないけどケネス、大怪我した箇所は毛が生えにくいのだよ…だったらいっそつけ髭でした、の方がいいかも。

そして物語の中心となる美人で大金持ちのリネットですが、ガル・ガドットから大金持ちの香りがしない。美人ではあるけれども婚約者がいる友人から男をもぎ取るようにも見えない。これはたぶん、リネットを悲劇のヒロインとして演出するように無邪気ないい人の設定にしたため、どっちつかずになってしまったように思われます。印象が薄ぼんやりしてる。

さらにコロナに影響されてロケも思うようにできず、ほとんどをCGとセットで撮影したため、せっかくのエジプトの素敵さを観ることもできず、本当に残念です。第一作のイスタンブールは素晴らしかった…思わず「次の旅行はここ行きたい‼️」と興奮するほどでしたが、今作ではそれがなくてのっぺりしたエジプトでした。コロナぶっ殺す。

しかしこうしてなんとか完成して封切られたのは本当に感謝しかない。自作も必ず映画館で観るので、ケネス頑張って‼️