散歩好き

井の頭公園で犬とまったり。

ハリスおばさん、パリに行く

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吉祥寺プラザで「ハリスおばさん、パリに行く」を観てきました。

小学生の時こういうちょっとした軽い小説のマイブームがあって、いろいろ読んだうちの一つが「ハリスおばさんパリへ行く」でした。うーん、でもこんな感じだったっけ?今度読み直してみよう。

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人気の映画が目白押しなので、こういう小作品は大劇場からは押しやられてしまうけど、プラザならいいかな。古いけどキチンと手入れされてて、席も昔の映画館にしては観やすいのです。

普段家政婦として生活している未亡人のおばさんにディオールのドレスはどう考えたって不必要だし、持っていても着用シーンがあるのか…❓と考えるのが普通かもしれません。

でもそうじゃないの‼️

 

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夢を手に入れてそれを手に取ってうっとりするってのが幸せなのです。ディオールのドレスを着て何処かの国の王子様と踊るため、とか目的がない方がむしろ贅沢で夢と呼ぶにに相応しい。そしてそこに突っ走る過程も楽しいじゃありませんか。

先日あった友人Eはハリーウィンストンの「サンフラワー」シリーズの指輪が欲しいそうです。見たら300万円(゚д゚)!でも気持ちすっごくわかる。

パーティとかには出る予定なくても、着用シーンがないとかそんなの関係なくて、持ってて時々取り出して指にはめ、あかりに照らしてキラキラを楽しみ、「私のジュエリーケースにハリーウィンストンの指輪がある」と思っただけで心が沸き立つ気がします。まあ私はもう少し格下の「フォゲットミーノット」シリーズのペンダントヘッド572,000円でいいわよ、ダンナ。ホホホ*1

しかしこの映画のキモはそこだけではなくて、人間の品性とは何かという点において語られるべきでしょう。

確かにおばさんは家政婦として使われる身ではあるけれど決して下品でも下賤でもなく、きちんとためた自分のお金を持って正当にドレスを買いに来たご婦人です。それを汚いものが来た的に追っ払う鼻持ちならない下品なヤツもいれば、正当なお客様として丁寧に応対する礼儀をわきまえた人もいる。

そう、相手がセレブだろうがなんだろうが相手に礼節をもって対応する人たちのことをエレガンスというのです。もちろんお客のほうも、エレガンスを享受する資格がある人に限りますが。この映画はおばさんとおばさんを助ける人々を通じて人間の品格に言及しているのではないかと思うのです。

お祭りは準備が楽しいもの。ドレスが仕上がるまでの日々は思いがけずステキでディオールのドレスのようにキラキラしたものでした。そしていつしかお祭りは終わり、ドレスはしまわれ、そして大変な事件の後素晴らしい幸福が彼女に訪れます。その幸せの箱詰め作業が観ているだけで本当に幸せで、何度でも何度でもそこだけ見たくなるほど素敵なのです。私まで幸せのおすそ分けをいただきました。

あと単純にね…この映画美しいシーン満載なんです。メゾンでのショー、美しくて感動してウルッと来ちゃった…

今落ち込んでるとまではいかなくても、気分があまりのらないなあという方。この映画を見たら気持ちがぐっと上向くこと間違いなしです。

 

 

余談ですが…ネックレスのチェーンが切れたので、ついでに長さも調整してもらおうとそのブランドの修理を受け付けるショップに行ったのです。映画を観るついでに行ったので普段着に毛が生えた程度の服で行ってしまったのですが、そのブランドのイメージを大きく損ねるものだったらしく、失礼ではないにしろサッサと素早く対応されました。

ふむ、これは私のほうもブランドに対するリスペクトが足りなかったなと反省し、修理が終わったネックレスを受け取りに行くのにきちんとした着物を着て行くと、まずソファに通されて順番を待ち、前回通されたカウンターチェアには座らせられず、そのままゆったりと検品や支払いなどをし、出口まで送っていただきました。ちなみに料金はたったの千円ほどだったのに、ビロードでできたネックレスポーチにいれていただいて恐縮至極。

双方のリスペクトとは必要なものですなあ。

*1:´∀`