散歩好き

井の頭公園で犬とまったり。

没後50年 鏑木清方展

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東京近代美術館で開催中の「没後50年 鏑木清方展」に行って来ました。

https://www.momat.go.jp/am/exhibition/kiyokata/

さすが日本画の大家の展覧会だけあって、着物の方が多くて眼福。中には黒の羽織の方もいらして遊び心だなあと。

私は今日は26℃と暑いので単の着物…どれにしようか迷った挙句(と言うほど持ってないけど)このポスターのアッシュグリーン…というか緑青かな❓の縦ぼかしの越後縮の単に、黒のOKANOの博多帯で。紫のレース羽織を着ようかな〜とも思いましたが暑いからやめましたが、会場にはしっかり羽織をお召しの方もいらして暑くないのかと感心しました。何も羽織らない状態を帯つきと言いますが、これはカッコ悪いと見る方もいらっしゃいますからね。

そういえば先日、暑いから単を着てたら「単は5月からでしょ❗️」と怒られたというツイートを見かけましたが、正確には6月が単ですね(^_^;)暑い日に単着て何が悪いんじゃ❓二重に恥ずかしいでしょ。今現在は温暖化で冬でも暖かい日も多く、建物の中も暖房が効いて暑いので冬でも単着てる方は少なくないですよ。

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着物の話はこれくらいにしておいて清方展ですが、清方は世情が安定していないときに物騒な絵を描く気になれず、そういう時には大好きなもの、美しいものを描くんだ、とインタビュー映像で話していました。うーんわかる、最近私のTwitterのTLは犬、猫、鳥、ももクロで埋まってるんですよねえ。

清方の大好きなもの、歌舞伎、お芝居、市井の人々。清方といえば美人画なので、あんまり市井の人々の暮らしを描いた絵はあまり見たことがなくて、今回興味深く拝見しました。

若くから挿絵画家として活躍した清方の作品で私がすごく気に入った作品「小説家と挿絵画家」。左に浴衣をしどけなく着て机に肘をついているのが清方です。

一方、右の男性は暑いのに(うちわがある)きっちりと羽織を着、眼鏡に神経質そうな髪と顔。清方の家に訪れた泉鏡花です。挿絵のうちあわせでしょうか、原稿をもつ清方に静かな声音で詳しく絵についてのリクエストを伝える鏡花の人柄がつたわってきます。

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清方は一瞬を切り取ってその登場人物の内面を描くのが得意だったのでしょう、歌舞伎座に飾られた「さじき」は、桟敷席に座る母子のおしゃれした姿、この母親が季節を先取りして着物を選んだのを表すかごに盛られた枇杷さくらんぼ。見れば見るほど謎解きのような楽しみを与えてくれます。

何時間いても飽きない鏑木清方展ですが、ここ国立近代美術館にはカフェなどちょっとお茶を飲むスペースもなければ、ジュース一杯飲めないのです。フレンチレストランは完全予約制の上に私一人で入れるようなお店でもなく、ホント疲れます。できれば軽食を楽しめる気軽なレストランや、買ったグッズを眺めながらおいしい紅茶などいただけるカフェがあるといいですねえ。