散歩好き

井の頭公園で犬とまったり。

トールキン 旅のはじまり

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TOHOシネマズ日比谷で「トールキン 旅のはじまり」を観てきました。

イギリスの田園で母と弟と暮らしていたトールキンは、母の急死により無一文の孤児になってしまう。だが幸い、神父の助けによって名門校に入学する。トールキンは、そこで大切な恋人や友を得るが、世界大戦の勃発によって、それらを失う危機に陥ってしまう。(ぴあ映画生活より)

ああ、この人X-menでホルト役の人ね。特殊メイクしてないとこんなキレイな人だったのね。

私小説ってのはケツの穴まで見せるようなもの」と言ったのは大鶴義丹さんだっただろうか。言いえて妙ですなあ。私小説でなくても文字通り個人の心血を注いで作り出す作品に自分自身が反映されるのは当然です。

この映画を観ると、指輪物語の旅の仲間が4人でなければならないこと、ホビット村はトールキンの生まれ故郷であること、アイゼンガルドは引っ越し先のバーミンガムだったこと…色々なことが腑に落ちる気がしました。指輪物語トールキン自身の冒険譚だったのです。

しかし。残念なことに主人公トールキン自身の影が薄い。事実を彼が過ごしたように描写しても、生の彼が伝わってこないのです。のちに夫人となる彼女との恋物語も恋が始まったように見えなくて、ただ一緒に住んでる人に興味があるくらいの軽さに感じるので、話が進むにしたがって違和感が大きくなるのです。あれ?そんなに好きだったの?って。胸のきゅっとなるような印象的なものがないので。(事件は十分に起こるのですが。)そこに重点を置いてはいないのでしょうかね。ひたすら淡々と、静かに、過ぎていく。トールキンはそういう人だったのかもしれません。

それにしても第一次世界大戦での従者の名前がサムって…ホント?