散歩好き

井の頭公園で犬とまったり。

引っ越し大名!

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新宿ピカデリーで「引っ越し大名」を観てきました。

実在した松平直矩という国替えを何回もさせられた大名の下で働く(こっちは実在するか知らないけど)片岡春之介(星野源)が主人公です。読書好きで図書室に引きこもっている「カタツムリ」と呼ばれる彼が所替え全てを任されることになり、困難を乗り越え大きく成長する、というお話です。

昔、杉本苑子氏の「引越し大名の笑い」という小品がありまして、歴史小説好きの私は氏の作品はほとんど読んでいるのですがこれを機にもう一度読んでみました。やっぱすごいよ杉本先生。最近軽い小説しか読んでいなかったことをガツンと思い知らされました…

こちらによると所替えが過酷を極めた理由はちょっと映画とは違って腑に落ちるのですが、この説で撮ると1時間ほど尺が長くなってしまうし片桐の影が薄くなっちゃうのでやむを得ないですね。

松平直矩の引っ越し先の日田は直矩の転封後は天領となったので彼が最後のお殿様になってしまいましたが、昔は車でも行くのは大変だった記憶があります。英彦山の山道をぐるぐると越えて行きました。今は大きな道路が開通したし、とってもステキな観光地ですよ。特に蔵のフレンチレストランとか小洒落た雑貨のお店などが品良く立ち並ぶ豆田町は、女子旅に超オススメです。が、現在は日田彦山線は一昨年の豪雨被害で不通となっているので、できればレンタカーが便利ですよ。

あの時代に7万石の山奥の平城では姫路城のような美々しいところにお住まいだったお殿様はさぞやお力落としだったでしょうね。しかしとても良質な木材、日田杉が取れるし、川も運搬に使えるのでやり方次第では美味しい土地でもあったのではと勘ぐることもできます。

そういえば私もOL(死語)の頃勤めてた会社が社屋を建てて引っ越したので、なんとなく春之介にシンクロしちゃいました。立場の弱い人に文句を言いやすいのは江戸時代も現代もおなじですからねえ…シミジミ

ピエール瀧がいい役で出てましてね。これはもう差し替えやカットなど出来ない存在感でしたので、よく言えばよくよく考えて、悪く言えばほとぼりが冷めるのを待って上映の運びとなったのでしょうかね。ともあれ無事公開の運びとなってよかったと思います。