散歩好き

井の頭公園で犬とまったり。

天気の子

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TOHOシネマズ新宿で「天気の子」を観てきました。お出かけに合わせてバリッとお日さまが出て、私にふさわしいお天気の中ね。

私は結構な晴れ女で、先日の台湾旅行では台風も反らしてしまうほど(❓)なのですが、観終わってダンナが「うん、ヒナちゃんの40年後はオマエだな❗️そいでトシとったら太っちゃうんだよねwww」

ナンダトゴルア!( #゚д゚)=○)゚Д)^^^^^^゚

毎日雨が降り続く東京。その雨の中行く当てもなく困窮していた家出少年の帆高は、フェリーで知り合ったライターの須賀のところに転がり込む。そんな中知り合った陽菜には不思議な能力があった…

今年は長雨で毎日降らない日がないくらいの日々が続いていますので、作中で降り続く雨がとてもうっとうしくて、物語にすぐ没頭できました。

以下ネタバレ注意ですよ。

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とにかく情景の美しさには驚きを禁じえません。シトシトと降る雨の雲が割れ、まぶしい陽光が降り注ぐその神々しさ。スポットライトのように輝くその光はよく「ヤコブの梯子」とか「レンブラント光線」と呼ばれるものですが、その真っただ中にいる陽菜はまさに梯子を登らんとするようでした。

その陽光の恵みを全身に受けて、帆高と陽菜は光り輝く毎日を送りますが、現実とファンタジーの両面でのピンチを迎えます。現実の描写は必要不可欠ですが、印象が強すぎて全体のバランスを壊さないよう刑事のデザインがちょっとコミカルになっているのはかえってファンタジー部分の比重を大きくしすぎていると感じました。いつもこのブログで書いているように、ファンタジーこそ現実部分は子供だましでは子供もだませないのです。平泉成がその点をカバーしてくれてはいますがね。

そして陽菜が囚われた天上は、まるでラピュタ…帆高がここにたどり着いたとき「あの地平線~♪」と頭の中で音楽が鳴りました(;^_^)BGMもなんとなくそれっぽかったですよね~❓これは間違いなくラピュタへのオマージュでしょ。あれも破滅を選ぶ少年少女のクライマックスでしたね。シータとバズーの選んだ道はムスカの野望を止めるための命がけの、いえ命を捨てた覚悟でしたが、帆高と陽菜の選んだ道は世界が滅んでも自分たちの愛を貫くためのものでした。

このことの是非は問いません。世界のために必ず死ななきゃならないっていう義務はないし、そこには何の計算もなく、ただ一筋に愛を追求するふたりがいたということですから。すべての映画のラストは必ずしもきっちりと話をまとめて終わるというわけではありません。今作のように、愛する二人が時を経てまためぐり逢い、また新しい何かが始まる…という一見ハッピーエンディングに見えるストーリーの中になんだかモヤッとしたものを感じさせるのもまた、監督の思惑と言ったものなのでしょう。

メインテーマ「愛にできることはまだあるかい」はこう歌っています。

「それでもあの日の君が今もまだ
僕の全正義のど真ん中にいる」

「君がくれた勇気だから君のために使いたいんだ
君と分け合った愛だから君とじゃなきゃ意味がないんだ」

「愛にできることはまだあるかい
…」

帆高にとっての愛とは陽菜がくれた世界であり、正義でありました。世界が滅ぶとは物質的なものではなく、陽菜の愛が消えることでした。 ♪ふ~たりのため~世界はあるの~♪ (古い…)

こんなに強く誰かを愛することが出来たら、愛されることがあったら、というロマンシズムあふれる映画です。けがれちまった大人もこれを観て、キレイなココロをとりもどそうではありませんか。ムリか。