TOHOシネマズ新宿で「名探偵ポワロ ベネチアの亡霊」を観てきました。
この秋はこの「ポワロ」「ジョン・ウィック」「イコライザー」と私の大好きなシリーズが3つも公開されるんで、すごくもったいない気がしています。ガイ・リッチー監督ジェイソン・ステイサム主演(面白くないはずない)のスパイ映画「オペレーション・フォーチュン」「ガルパン最終章4話」もあるし、その他にも観に行く予定の映画が6本…もうちょっとバラけてほしい。
第二作の「ナイル殺人事件」は撮影がコロナの影響をダイレクトに受けて、イマイチ映像に迫力に欠けるところがあったのですが、今度のポワロは一味違う。
原作はアガサ・クリスティの「ハロウィン・パーティ」。もちろん舞台はイギリスです。私はこのお話はあまり好きではありません。子供が殺されるから。「私、人が殺されるところを見たのよ」そう言ってしまったために。
前回までは割と原作に沿った結末だったので、ケネスがどういう味付けをするかに鑑賞の重点を置いていましたが、今作では原作とは内容も結末も全く違います。子供も死なない。
ですので、何処に原作のエッセンスが使用されているかも楽しみどころとなっています。
ポアロが引退して野菜の世話をしているシーンがありますが、これは「アクロイド殺人事件」にその描写があります。引退生活を送るのなら温暖な田舎がいいだろうと思うのですが、ベネツィアに設定するところがオシャレではありませんか。洒落者のポアロにはあるかもしれない設定です。
「オリエント」では大スターが山盛り出演していて画面もキラキラしく、ケネスのヤル気が伝わってきて圧倒されたものですが、こう言ってはなんだが今作は大スターがいなくて絵面が地味…しかもほぼ全編が夜の邸宅の中で展開するので、暗くてよく見えない…そのせいかちょっと眠気…バーン💥とすごい音‼️😳目が覚めるの繰り返しの上、ホラー味が効いているのです。私ホラーは映画館では観ないのに…ケネスが遊んでるとしか思えん。
原作のポアロもBBCのポアロも、友人がいたり観光に行ったりと彼なりに人生を楽しんでいるように見えます。そんなポアロもあってこそ晩年の孤独を深めていくポアロに共感を覚えるのですが、ケネスポアロにはひたすら孤独しかないのが寂しい。ケネスがシェークスピアの人だから悲劇が好きなんだろうか。私は孤独と仕事以外のケネスポアロが見てみたいな。その辺の味付けはシェークスピアのコメディでお手のものでしょう❓
