新宿ピカデリーで「最後の決闘裁判」を観てきました。
14世紀後半。マルグリットはレイプされたので夫カルージュが告発したところ、夫とクソ野郎被告人ル・グリが決闘して勝った方が神の認める正しい者なんだって。そんなの神様だって「マ⁉️」てなる…けど、結局歴史は勝った方のものだ。その勝者の歴史を当事者、ダンナ、被告人のそれぞれの視点から描く。
決闘が始まってからは終わるまで「ル・グリ死ね❗️ル・グリ死ね❗️」と呪っていたけど、後で冷静になって考えてみると、ル・グリの行動は割とこの時代においては普通の愛の形だったし、本気で愛していたし、自分が愛されていないなど経験したことがないので本当に理解できないままに結末を迎えたのではないだろうか。
夫の行動だって君のためには死ねなくてもプライドのためなら死ねるし、死んだあと妻がどうなろうと知ったことじゃない。
上手くいけば憎いライバルを堂々と殺すことができて一挙了得だ。腕には自信がある。
いずれにしても、ここには女性は男性の所有物であり、権利は男性にしかない。
しかし一番驚くべきはこの事件から600年以上経っているにもかかわらず、現代と状況は変わっていないことだ。
さすがに決闘裁判はないけれど、
女性を性的に踏み躙る男、
女性を産む道具だと思っている男、
私も体験したことだから我慢すべきという姑、
友人だと思っていた人からの嫉妬による裏切り、
取調べでのセカンドレイプ…
暗澹たる思いだ。