散歩好き

井の頭公園で犬とまったり。

ホワイトクロウ

f:id:ganmo-z:20190621122844j:plain

TOHOシネマズシャンテで「ホワイト・クロウ」を観てきました。

このシアターはTOHOシネマズ日比谷が出来るときに閉館の予定だったのですが、惜しむ声が多かったらしく閉館を免れました。B1のシアターは前席に人が座るとスクリーンが見えないし、トイレは少なくていつも並ぶのにうんざりするし、各階に人員がやたら配置されなければ立ち行かないし、Suica使えないし、とあまり好きではないシアターです。なので閉館が決まったとき正直やれやれとおもったものですが、はっきり言って改装してほしい。席がフラットだからスクリーンが若干上目に設定されているので座席の背もたれが上を向いているのに、背もたれの高さが肩より低いので首が死ぬ。せめて椅子だけでも変えてくれないと値上げに黙っていられないですよ。

ルディ(ルドルフ・ヌレエフ:オレグ・イヴェンコ)はパリ公演で味わった西側の自由に惹かれるが、KGBに目をつけられ…

あれ、ヌレエフってゲイじゃなくてバイだったのか。知らんかった。ヌレエフが亡くなったときはそれはびっくりしましたが、その翌年にはジョルジュ・ドンも亡くなってさらに驚きました。

ホワイト・クロウというのは類まれなるもの、はぐれ者という意味だそうですね。類まれなるものは生きにくい。それではぐれ者になって苦悩するというのは神からギフトを与えられたものの宿命で、それで世間に潰されるか、壁をその才能を以てぶち破り新しい世界を創造するかのどちらかです。ヌレエフは助けを得て壁(というよりは鉄のカーテン?)をぶち破って世界に羽ばたき、バレエの歴史を変えてしまいました。

 

ホワイト・クロウたちが世界を変える瞬間を見ることはすばらしい体験です。私の人生では、森下洋子さんがヴァルナで金賞を取ったとき、伊藤みどりさんが女子フィギュアスケートを別次元にしてしまったとき、熊川哲也さんがローザンヌでゴールドメダルを取ったとき、でしょうか。自分が表彰されたわけでもないのに、ものすごい歓喜が全身を包む…感謝しかありません。

神に愛された人たちの人生はかならずしも幸せなものとは限らないけれど、彼らの作品はパフォーマンスは間違いなく私たちを幸せにしてくれます。どうか神の愛が彼らの精神に少しだけ強さを与えてくれますように。