散歩好き

井の頭公園で犬とまったり。

ワンダーウーマン

Img_2878

 

TOHOシネマズ府中で「ワンダーウーマン」を観てきました。

バリバリフェミニズム映画ではないのですが、そう思われるのがよほど怖いのか、予告で「お姫様は天然系❓」とか言ってみたり、TVCMでは乃木坂46が「女はひとりじゃ眠れない(この歌の歌詞を見ると、女は夢を諦めるまでひとりじゃ眠れないらしいです。せっかく乃木坂ステキなのに、なんだかかわいそう…)」とか明後日の方向性の歌を歌っているという現実は、私達の社会の成熟度を現しているような気がします。

それにしても、マルスの神話ひどいなあ。全然違うじゃん。誰か神話チックな悪役欲しかったのはわかるけど。これはなんかルシファーを無理矢理マルスに当てはめた話なので、私らがよく読んでるギリシア神話とは違うからね〜。マルスはヴィーナスとエッチしているところにダンナのウルカヌスが帰ってきて慌ててベッドの下に隠れちゃうようなヒトなんだけどねえ。

女性だけの島、パラダイス島。ダイアナは最強の戦士のみが手にできる剣に憧れ、修行に励んできた。あるとき、島に不時着したパイロットを救ったことで、外の世界で戦争が起きていることを知ったダイアナは、自身の力で世界を救おうと決意する。

神話上のダイアナの方が実はよほど残酷で、自分の水浴びをたまたま見ちゃった男を鹿に変え、男の連れていた猟犬に噛み殺させるちゅうヒトですよ。その人が戦いを止めるために立ち上がるというところから色々矛盾が生じてきます。だって「殺戮を止めるためにドイツ兵を殺す」んだもんね。その矛盾を解消するために必要だったシーンが、

Img_2877

この映画の見どころ、中盤クライマックスシーンであるベルギーの村を助けるためにただひたすら「誰も入っていけない包囲網」を突破して村を解放するシーンです。

ここで彼女は初めて目的もなく突っ走ってるだけの人から脱却し、自分の力で困難を克服して目的を達成する人になるという重要なシーンで、ここにかなり時間とお金をかけて撮影したそうですよ。まず彼女が突入するのは「Men」が突破できない世界、人間だけど「男」のダブルミーニングです。男の世界で女が成功するにはかなりの抵抗を受けること必死です。ハシゴを登るシーンは一歩一歩社会的な地位を上げていく暗喩。しかしながらこの映画では男性・スティーブとその仲間たちがダイアナの文字通り「足がかり」となり、彼女の活躍をささえるのです。そういえばロードオブザリングにも「人間(men)が私を倒すことはできない」と言ったナズグルをエオウィン姫がやっつけて「私は女だ」というシーンがありましたね。爽快でした。

映画会社はこのシーンをお金もかかるし全カットしようとしてたらしいですね。もったいない。男性の目から見ればフツーのシーンなんですかね、やっぱり。

…というふうにですね、意外とこの映画、解説がないとフツーの出来上がりの映画に見えてしまうという欠点がありまして、ここをどう克服するかが課題でしょうね。