散歩好き

井の頭公園で犬とまったり。

ロケットマン

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TOHOシネマズ府中で「ロケットマン」を観てきました。人少な‼️10人くらいか。夏休み映画がようやっと終わって、大人向きの映画がドッと公開されるシーズンになりましたね。これから暮れまでくらい忙しくなりそうです。

ごめんねエルトン、あなたのことをいい歌歌うのに変な格好する変なおっちゃんだと思ってました。まあ言ったらそのとおりなんだけど、その彼の私たちには見えない壮絶な人生を描いた映画です。

エルトンは「キングスマン」のタロン・エガートンが吹き替えなしで演じていますが、この人ほんとに多才な人だなあ。パルクールもやってたくらい運動神経半端ないし、コメディもシリアスもいける演技派だし、今作で披露した歌だってめっちゃ表現力あるし、ダンスもすごくいい。その彼が本気でエルトンを演じると、顔は違うに決まってるんだけど本当の話を見てるような不思議な感覚に囚われます。エルトンのなんとも言えない茶目っ気とかすごく上手い。

びっくりしたのはエルトンの大事なひと、バーニー役のジェイミー・ベル。「リトル・ダンサー」でマシュー・ボーンの少年時代として主役を張った子だった。大人になって…( ;▽; )

そして常々思っているのですが、イギリスの歌って明るい歌でも薄暗い気がする。ビートルズもそうだし、私が一時ものすごく聴いてたマッドネスとか、エルトンもなんか薄暗い、曇りの空みたいな色をしているように感じます。映画中もイギリスでのシーンはすごく楽しい遊園地で歌うシーンでも画面が薄暗いなーと思っていたら、アメリカに行った途端に画面がパーっと明るくなって、あれ、もしかして監督も私と同じこと思っていたのかなと。

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衣装が興味深いのです。実際にエルトンが着ていた突飛な衣装を再現していて、それが彼の精神状態とシンクしていて壮絶さが一段と増して見えます。特にめがね。彼の内面を隠し別の自分になるための仮面です。

欧米人と感覚が違うのか、ピエロが怖い。別に映画とかの影響ではないのですが、何であれで笑えるのか理解できんわ。で、エルトンがピエロになればなるほどめっちゃ怖い。冒頭いきなり怖い。なんでここでこんな格好してんのこの人…それは終わりに近くなるとわかることなのですが、その妙な格好が次第に変化していくのがいい演出だなあと。外面は内面を反映しているのですね。

寂しいと死んじゃうのはウサギじゃなくてヒトです。エルトンは子供の頃からゆっくりと死んでいる。両親に愛されず、最愛の人とは性的嗜好が合わず、愛されていると思った人は愛していなかった。フレディー・マーキュリーもそうだし…そういえば初めて知ったんだけど、エルトン・ジョンの芸名ってミドルネームがあって、それがハーキュリーなのね。ハーキュリーはポアロの「エルキュール」、ヘラクレスです。イギリスの大スターってギリシャ系が好きなのかな❓まあどうでもいいですが…どうして大スターで世界中の人から愛されているのに愛されていないと悩んでこわれてしまうの。やはり自分の大きく欠如した部分を埋めるために才能もまた大きくて、入れ物に入りきれずに心が張り裂けてしまうのだろうか。

でもよかった、エルトンは治療の甲斐あって依存症を克服し(買い物依存症は治ってないらしいけど、それはお金持ちだからいいんじゃないかと。買い物は楽しいよね💦)愛する人を得て幸せに暮らしています。やっぱり明るい変なおっちゃんにはその姿の通り楽しい人生を送って欲しいと思うのです。

それはそうとお母さん役のブライス・ダラス・ハワード、相変わらず心のない人の役なのね。あの美しすぎる目がいけないのかしら。人間の目とは思えないくらいの美しさだもの…がんばれブライス‼️