今日はベルベデーレ宮殿で絵を鑑賞して、チェコの古都チェスキークルムロフに向かいます。
宮殿宮殿焼き肉のタレ~[E:note]ホントに宮殿で作ってる~[E:note]でおなじみの日本食研「焼き肉のタレ宮殿」を作っている宮殿工場はここをモデルにしているそうです。帰国後、スーパーでまじまじと見ちゃいましたよ、焼き肉のタレ宮殿のボトル。
かいつまんで書くと、ここを建てたプリンツ・オイゲンはもともとフランスの貴族で、サヴォイア公の血筋なのでプリンスの尊称を付けて呼ばれていましたが、長男ではなかったので出家するか軍隊に入るかどちらかを選ばねばなりません。彼は軍隊で手柄を立てて見せると王に進言しましたが、たいへん小柄だったのでフランス王ルイ14世は彼を重用することはありませんでした。それで彼はオーストリアの軍隊に入り戦功をあげて大金持ちになり、ここを建てて暮らしましたが、彼の死後遺産を継いだ人物がマリア・テレジアにここを売却したためベルベデーレ宮殿と呼ばれるようになったのです。なので、プリンツ・オイゲン、オイゲン公と言われますがオーストリアの公子ではありません。
それにしても祖国と戦ってコテンパンにするって、この頃はまあある話だったらしいけどどんだけだ。
ベルベデーレ宮殿にはここから入ります。勇猛な獅子の彫刻・・・なのでしょうが、
後姿の情けないことよ。
もともとここは宮殿の管理人用宿舎なのですが、ブルックナーが住んでいた家は高齢にもかかわらずアパートの上層階だったので、フランツヨーゼフ皇帝が「ここに住めば楽だよ?」と勧めてくれて最後の1年ちょっとをここで過ごしました。
こんな顔だっけ。
いよいよ中に入ります。かわいそうにここの宮殿を支え続けているガイア。
おお、ムンク。見ただけでわかるすごい個性。
ここはクリムトとエゴン・シーレのコレクションで有名なのです。クリムトの初期はわりとフツーな感じですが
だんだんクリムトになってきた。「フリッツア・リードラーの肖像」です。彼はベラスケスが好きだったので、
ベラスケスの「マリア・テレーサ王女の肖像」をリスペクトして描かれたそうです。彼女はフェリペ4世の娘でルイ14世の妃です。
「ユディト」。生首を持ってめっちゃエロい表情。彼のテーマである「ファムファタル」なのです。男が殺されても後悔しない女…
聖書では、ユダヤの裕福な寡婦ユディトはアッシリアから攻めてきた大群の将ホロフェルネスを敵でありながら現地案内役として盛装でもてなし、4日後酒宴で泥酔して寝入った彼の首を切り落とし、アッシリア軍に勝利をもたらしたとされます。
このモチーフはアーティストの心を非常に刺激するらしく、ドSな感じのクラナッハ(クラーナハなんて呼んでやらないよ)はこないだ国立新美術館で会いました。
カラバッジョのユーディトは少女のようで、いやーん、きたなーいって感じの顔をしていますし、ボッティチェリのは侍女に頭を持たせてやはり冷静な顔。
そして出ました、「接吻」。実物を見ると、女性の顔色がすごく悪いのがわかります。ガイドさんは前々からこの女性がキスされているのに無表情なのが気になっていたらしく、最近新説として「この女性は死んでいる」というのを聞いてひどく腑に落ちたらしいですが、私は実質的な死ではなく、「女性にとっての愛の死」だと思っています。手だって、男性を拒絶しているようではありませんか。
私はバブルの頃西武系の会社でOL(死語)をしていまして、池袋で働いていました。当時西武の美術館でクリムト展が開催され、それはもう派手派手しく広告がうたれていましたが、なにせバブルだったので仕事が死ぬほど忙しく、気が付いたら会期が終わってしまっていて、それはもう本当にがっかりしたものです。もう一生この絵をナマでは観られないって。あれから約30年[E:sign03](綾小路きみまろ風にね。)まさかウィーンでこの絵を観るとは夢にも思いませんでした。生きてればいいことがあるもんだなあ。
多くの画家が自分の画風を求めるように生涯を通じて画風を変化させたクリムトですが、これはゴッホ風。
これはモネ風ね。
そしてここにはエゴン・シーレの代表作「死と乙女」があります。エゴン・シーレの映画を見て間をおかずこの作品をナマで観られたことはラッキーでした。この絵の感想と解釈は以前と変わりませんが、やはりナマで観るこの絵はものすごい迫力で、どうしようもないクソ野郎だけれどものすごい才能を持ったクソ野郎だったことは間違いないようです。
この生々しさ。男を抱く女の哀しさ、必死さ、優しさ、そしてすべてを許す愛が溢れ出ています。
あれ[E:sign02]この絵ってフランスにあるんじゃないの[E:sign02]とびっくりしたダヴィッドのナポレオンですが、3枚くらい同じモチーフで描かれてるんだって。
ステキな景色なのにどんより…まあざあざあ降りよりいいか。
大広間の天井はだまし絵になっていて、見た目より高く感じられます。3mしかないなんて信じられないなあ。
1Fのカフェでティータイムをとってくれました。気が利いている。やっぱここはウィンナコーヒーでしょう。
旦那が「オレがラテアートしてやるわい」とスプーンでぐりぐりしたら、人面祖みたいになりました…
やっぱりここにもマリア・テレジア。若い。
下から撮ってみた。肩こりそう。
胸を触るとラッキーがあるらしいけど、汚れてるしちょっと怒ってると思う。
後ろは泊まっていたインターコンチネンタル。そのお向かいにある市立公園を少し歩きます。ここは「第三の男」で使われた下水道の出口。
シュトラウスの像。乙女チック。
花時計に花がない。
お昼はここでいただきます。Himmelpforteです。
サラダと、
牛肉のロースト玉ねぎソース。これなかなか美味しいぞ。
デザートはホットチョコレートケーキ。美味しいんだけどこってりで量多すぎ。
食べたらバスに乗って、いよいよ国境を越えてチェスキークルムロフに向かいます。移動時間が長いのとウィーンからバスの運転手さんがチェンジして、ちょっと運転が荒いので快適なドライブというわけではなかったけど、チェスキークルムロフって
めっちゃかわいいじゃないですか[E:lovely][E:sign03]女性陣全員で「何これー[E:sign03]超ステキー[E:sign03]」の大合唱。
今日泊まるのはホテルルーゼ。修道院だったところを改装してホテルにしたそうです。
ホテルの前が展望台になっていて、全員大興奮。
きゃー[E:heart01]
わー[E:heart01]
航空写真。
ホテルのロビー。
日本人観光客が多いらしい。
2Fのサロンにギクッとする人形。
ステキな客室[E:lovely][E:heart04]この後右のカーテンが落っこちてきてびっくりしたけど、ロマンチックなホテルにはいろんな故障がありがち。
テレビが似つかわしくないけど無いわけにいかないものね。
わ、ここのサロンにもなんかいる[E:coldsweats02]びっくりするから夜は見ないようにしよう。
長ーい廊下。
さて、夕食までしばらく時間があるので街を歩いてみます。
なんだっけ、モグラの…あそうそう、クルテク。チェコのキャラクターね。
ゴブラン織りのお店だけど、絵をモチーフにした品ぞろえ。
路地の隙間から塔が見える。
教会はどの町にも一等地に。
うわー、おもちゃみたい。
銀行なんだって。
人気の観光地なので、たくさん人がいます。
パペットのお店はだいたい不気味。
崖の上に塔が立っているのね。
川が街の中を流れています。
小人とかフェアリーとか歩いていそう。
歩いててとても楽しいけど、ダンナはショップには興味ないの。
ホテルに帰ってきたらかわいい従業員さんがいました。
夕食はホテルでいただきます。焼きトマトとチーズのサラダ。美味しい[E:happy01]
マスのグリル・レモンソース。ポテトケーキが素朴で美味しい。マスは小骨が多くて大変だけどいける。デザートはフルーツとレモンシャーベットでした。
もと修道院っぽい。
夜景がきれいだということで、添乗員さんと一緒に少し街歩きすることになりましたが、旦那はチェコビールが美味しくて酔っぱらっちゃったのでパス。さすが添乗員さんは撮影スポットを知っていますね。
夜に輝くお店。
チェコにはカッパがいるのですよ。お父さんはタラだそうですけど…
昼間と違ってなんか怪奇映画っぽい。
腹ごなしにちょうどいい夜景撮影散歩でした。明日はお城のガイドツアーと自由時間、そしてプラハに向かいます。
6日目に続く[E:sign01]