散歩好き

井の頭公園で犬とまったり。

ヒアアフター ☆☆☆☆☆

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有楽町マリオンで「ヒアアフター」を観てきました。この映画館には初めて来たんですが、いまどきデカいハコだな~!2階席の一番前が見やすいと思って早めに予約してよかった。この列だけ全席満員御礼でした。

アメリカ人のジョージ(マット・デイモン)は以前死者と交信できる霊能力者として活躍していたが、今は辞めて工場で働きディケンズの朗読を聞きながら眠るささやかな生活をしている。フランス人マリー(セシル・ドゥ・フランス)はバカンスで訪れた土地で津波に巻き込まれ仮死状態から蘇生した。イギリス人の少年マーカスは兄ジェイスを突然の事故で失ったショックから立ち直れない。3人に平穏な日々は訪れるのか・・・?

ブライス・ダラス・ハワードはなぜこんな当て馬みたいな役ばっかやってるんだろう?もっと活躍してほしい女優さんのひとりです。

いったいどうやってこの話を収めるのかと思って観ていましたが、なるほどね~。いかにもイーストウッド監督らしい・・・

で、この音楽はラフマニノフじゃないのかい?

337959view003 特に頼りにしていた兄を失ったマーカスが表情を失い、霊媒師を求めてあちこちに出かけるシーンは、ああこういう人いるだろうなあ、と共感できました。犬でさえ今日明日死ぬかもしれないと思った時に怪しい「パワーストーン」とかついた首輪とか販売してるHPとか真剣に見ちゃいましたからね~(;´Д`A ```買わなかったけど。不安でグラグラしている人は何かに助けてもらいたいと思う気持ち、本当にわかります。

実は私は学生時代タロットカードが得意で、謝礼の代わりに食事や食べ物の差し入れで結構貧乏学生としては助かっていたのですが、その相談に来る人というのは明確なビジョンはあまり必要としておらず、今傷ついた自分の心を理解し共有するセラピーのようなものを求めていたように思えます。

今いろいろな占い師とか霊媒師とかTVに出ていて、うちのダンナなんかは「こんなインチキのいうこと聞くとは」と憤慨してたりするのですが、私はそうは思いません。インチキだろうが本物だろうが、相談者が心のしこりをすっきりとほぐし前向きに生きることができればそれは素晴らしい仕事であると思うのです。いくらお金になるからといって、悩んでる人のマイナスのエネルギーは結構キツいものがありますから、立ち向かっていくのは大変ですよ、うん。

だからマーカスをチャネリングしているシーンは、もしかしたら今まで見た通りを淡々と相手に伝えていただけのジョージが、初めて能動的に相手を助けようとした貴重な体験だったのかと思います。情けは人のためならず。

ま、それはさておいてマリーは「いつかみな死ぬのに、みな死について考えない(うろ覚え)」と言っていました。自分を理解し「共有」してくれる人か?ずるいけどビジョンを見てみる。ほぼ間違いない。どうしよう。勇気がない。マーカスの相談に乗って少しだけ、相手を理解し助けることを学び、勇気をもらう。チャレンジだ!待ち合わせ場所で彼は確信する。彼女は僕の理解者であり、僕は彼女の理解者だ・・・とこんな感じかな?

なーんかほわんとしましたね。「グラン・トリノ」のエンディングのような、温かい空気が流れました。それにしてもセシル・ドゥ・フランスめっちゃきれいな人だなあ~。なんでベルギー人なのにドゥ・フランスなのかなあ~?超お勧めです。大きなスクリーンで津波のシーン観てください。