新宿ピカデリーで「Summer of 85」を観てきました。
あまりにも直球ど真ん中の青春ドラマに面食らいましたが、よくよく見るとやっぱりオゾン監督風味でした。
あっホントだ、どなたかがfilmarksのレビューに書いていた通り、このサイトのあらすじってほとんど全部内容が書いてある…😱
(横道にそれますが、filmarksは映画情報サービスのアプリで、マイページに観たい映画を入れておけば見忘れることもないし、膨大な数レビューも読めます。)
ていうかこのド直球ど真ん中の青春映画の筋書きってものすごく古典的なものですので、ここにどう加味していくかが重要なのです。
1985年が舞台なのでなんとなくみんなバックトゥーザ・フューチャー的な服装で、ディスコ(死語)でかかる曲がロッド・スチュアートの「Sailing」…歌詞が簡単な英語だからみんな歌ってたなあ…画像はデジタルではなくフィルムなのがまたちょっと薄ぼんやりしてて記憶を蘇らせてる雰囲気が出てるし、タイプライターの世界観にマッチ。
主人公と恋人の俳優も、よくこんなぴったりな人たちを見つけてきたなあ、と感心しきり。リバー・フェニックスに似てるかわいいウサギちゃんは暗い顔をすると驚くほど大人びて見えるし、それを美味しくいただいちゃう恋人はちょっと悪魔的。
アレックスを助けたダヴィドが乗ってた船の名はカリプソです。神話では島に漂着したオデュッセウスを助けたカリプソの一連のストーリーはふたりの行末を思い起こさせます。
というわけでこの作品はオゾン監督の好きが詰め込まれたファンアートのような映画です。
それにしてもオゾン監督って色んな面を持っている人だなあ。「スイミングプール」のように何処から何処までが妄想なのかわからない幻想的な作品、
「グレース・オブ・ゴッド」のような実話に基づく社会派の作品、
そして今作。次回作ではどんな顔を見せてくれるのか楽しみです。