渋谷ル・シネマに「画家と庭師とカンパーニュ」を観にいきました。ひどい邦題・・・なんだか環境ビデオのようですが、かといって原題の「私の庭師との会話」でもキツい。映画会社ってたいへんですね。
テーマとしては、都市にオシャレに暮らす男が故郷に戻ってきて、幼馴染と接するうちに人間性を取り戻していくという、割とありがちなものなんですが、主人公2人の演技がすばらしい上に人物の掘り下げ方が見事だし、なんといっても監督がいいのか心に沁みる。ただのおフランスのオシャレな映画ではありません。
「常にナイフを持ち歩くといい。紐も一緒に。必ず役に立つから」という庭師のセリフが2度出てきます。2度目でただひたすら涙が流れました。人は、変わった人生を送らずとも朴訥に生きていくことでその人生を全うできるということを教わったような気がします。感動したり、笑ったり、充実した映画でした。