散歩好き

井の頭公園で犬とまったり。

007 慰めの報酬

Nagusame2 「007 慰めの報酬」を観てきました。

今年に入ってバタバタしてたり腰が痛かったりで、観たい映画が溜まってしまいました。頑張ってみるぞ!

それにしても前作からジェームス・ボンドがダニエル・クレイヴに変わってから、今までのボンドとは180度様変わりしましたね。私はこちらのほうが圧倒的にすきなんですが、オールドファンはちょっと抵抗あるようですね。なにしろアクションはものすごいし、無表情にバンバン人は撃つし、「この話はボンドが007になるまで」とのことですが、まったくどこをひねったらあのスウィートなボンドになるんでしょう。

カジノ・ロワイヤルで愛する女ヴェスパーを失ったボンドは復讐心とビジネスをどう自分の中で折り合いをつけることができるのか?

前作を観てない方は観ないとワケわかんないです。また、記憶力の衰えてきた私のような方も観といたほうがいいですね。うーん、復習しなきゃだ。

Nagusame3 しょっぱなからすごいカーアクション!アストン・マーチンとアルファ・ロメオのカーチェイスですからね、ゴージャスです。目がついていかないよ・・・キョロ(・_・ )( ・_・)キョロ

アクションシーンも取っ組み合いからボートのジャンプまですごい勢いなんですが、カット割がコマゴマしてて、スピード感は増してるけどなにがなんだかわからんのが悲しい。それくらいすごいです。

で、カーチェイスを終えてポンコツになったアストンマーチンから降りたボンドがまた、髪の毛一筋の乱れもなく、素晴らしいスーツに身を包み、ステキだったらありゃしない。

Nagusame5 今回の悪役、慈善団体「グリーン・プラネット」の代表ドミニク・グリーンです。「潜水服は蝶の夢を見る」のマチュー・アマルリック!悪役らしく頭を剃るとかしたほうがいいかと監督に尋ねたところ「君の目だけでいい」といわれたとか・・・そのとおりですね、立ってるだけで異様な存在感。しかもスピーチやパーティーで見せる表情はおとなしげで、巨悪に関わってるというイメージとは遠く、好ましげなのです。惚れてまうやろー!

そしてドミニクが狙うものとは、オイルや核兵器なんかじゃありません。私たちの命に直結する「水」なのです。砂漠地帯で水源がある土地を買い取り、水道を会社化して利益を得る。でも売主のほうはオイルも出ない不毛の地だと思ってるので物好きだな~っと油断して売ってしまいます。

実際ロンドンではドイツ資本の会社が水道会社として水の供給を行っているそうです。新潟県の一部でも水道の民営化の動きがあるとかないとか・・・他人事ではなく、身近な問題を盛り込んでいるという意味でも、興味深い。

Nagusame4 仕事を辞めてまで一緒にいたかったジャスパーの死。そのジャスパーに裏切られたという心の傷や、ジャスパーを利用し殺した巨大な組織( QUANTUMクァンタムという名の組織らしい)への復讐心、まんまとだまされたという羞恥心、ジャスパーを許すこともできないしそういう自分を許すこともできない。行動をともにする今回のボンドガール・カミーユはひたすら復讐のみに動かされており、彼女と行動することで復讐の意味を考え、葛藤を乗り越えて、ボンドは真の意味での007としてのプライドを取り戻します。

さて原題は 「QUANTUM OF SOLACE」・・・辞書で懸命に調べたけどさっぱりわからん・・・「ほんの少しの慰め」・・・だろうか。この映画のラストでボンドはほんの少しだけ魂の救済を得たのだと思う。でも 「QUANTUM OF SOLACE」は原作の短編集の一篇の名前で、この映画の内容とは関係ないらしいです。

Nagusame7 前回つかまった悪役、今回ちょっと出てきて逃げちゃいますが、ホワイトさん。今回はグリーンさん。じゃ、次はレッドさんで組織の親分はゴールドさんで2代目ゴールドフィンガーの復讐でした!チャンチャン♪ていうのはやめてよ!?んなわけないか。