投票日に台風が来るという大変な日に、しかも平日より早起きして朝一番の上映で、ダンナと新宿ピカデリーの「劇場版 響け♪ユーフォニアム〜届けたい想い〜」を観てきました。雨本降りなのに何やっとんねん。それでも結構な観客がいて、この作品に対するひとかたならぬ情熱を図らずも感じてしまうこととなりました。もちろんこの後当然投票にも行ったよん。びっしょびしょになっちゃったけど。
私は中学生の頃ブラスバンド部でクラリネットやってまして、一緒の学校に入学した2歳下の従妹が「お姉ちゃんが楽しそうだから」と入部してきてユーフォやってました。その頃ユーフォは一般的には知名度の高い楽器とは言えず、私も入部してから初めてユーフォの存在を知りました。(そういえばあの頃は「ユーフォニウム」って言ってたなあ。)それがこのアニメでは小学生のころからユーフォ習ってる子が2人もいる。時代は変わったのね。
この劇場版ではTV版の田中あすか先輩のエピソードを中心として再編成されたもので、さらにその続きが追加されています。私はあすか先輩のような一歩引いて客観的かつシニカルに物事を観ているキャラが大好物。真希波マリとか。主人公の久美子ちゃんもかわいいんだけど、青春を体現している彼女は私にはちょっとまぶしすぎるかな。
この映画では、冒頭に撮影タイムが設けられていて、限られた時間の中で映像を撮影できるんです。初めてなんで焦っちゃって、フレームが切れちゃったよう[E:sweat01]
さて、あすか先輩に久美子ちゃんがナマの感情をぶつけるシーン。最大の見せ場と言っていいところなので思わずちょっとグググっとなっていたら、ダンナのお隣の男性がマジ大泣きしててびっくりしました。あーあ、最近映画観てあんなに泣いたことない。大人になるってつまんないのねー。
それはさておき、映画版ではさすがに音がよくて、コンクール曲をじっくり鑑賞することができて楽しい。今回は本当に堪能できました。そして部員の楽譜がカットイン。楽譜の書き込みは個人が表れることが多いので、そこにどんな思い入れがあるかよくわかります。
お金になるでもなく、将来演奏家になるとかそんな打算はなくして「好きだから」というだけでこんなに一つの事に夢中になれる時期って学生時代のこの時にしかない。その想いは音に出ます。プロの音は練れていてまとまっているけれど、学生の音はプロに比べて稚拙でもストレートで純粋で、胸にぐさりと突き刺さる何かを持っています。
その想いが文字となって表れるのが楽譜です。ああ、この子はこんな感じなんだ、この子はすごい緻密な子なんだな、あら、大きな字、とカットインする楽譜を見てはこのわずかな一瞬の演奏に込められたそれぞれの想いと、努力の跡をしみじみと感じていたら、目に飛び込んできた先生の楽譜。そうか、先生もこの一瞬に心を込めているんだと思うと(マジ泣きではないけども)どっと涙があふれました。生徒たちの夢をかなえるためだけじゃない、それは先生のものでもあるのです…
しかし、こんなすごい演奏が出来てて全国大会の銅賞って、最近の高校生のレベルっていったいどうなっているんだ。機会があれば全国大会をYouTubeとかじゃなくてナマで聴いてみたいもんです。