銀座東劇で「女殺油地獄」を観てきました。
小学生のころ、多分NHKの大河ドラマの予告編を見ていた時、盛大に散りゆく桜の木の下に立つ天皇の衣装を着た仁左衛門さんを見てハートを撃ち抜かれて以来の大ファンです。さすが仁左衛門さんはそりゃあもうすばらしい男っぷりで、ちょっとした動きにも色気たっぷり。そうじゃないとこんなしたい放題の男に魅力なんて感じないよね。
クライマックスの殺人シーン。凄惨なはずなのになぜかあはっと笑っちゃうようなコミカルな動きもあり、いやいや笑ってる場合じゃないって、とか思いつつもまた笑って、息絶えるシーンではものすごい動きで「おおおおおー」と場内からため息が。
古典ではあるけれども現代にももちろんあるテーマはかえって恐ろしくもあり、人間の業は何百年経っても変わらないものだということを近松門左衛門が教えてくれました。