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ドン・ジョヴァンニ~天才劇作家とモーツァルトの出会い~

336180_01_01_02 銀座テアトルシネマで「ドン・ジョヴァンニ~天才劇作家とモーツァルトの出会い~」を観てきました。アカデミー賞に輝く「アマデウス」でも「ドン・ジョヴァンニ」に重要な役割をあらわす作品としていましたが、この映画ではどうかな?

ユダヤ人の少年エマヌエーレは改宗してロレンツォ・ダ・ポンテと改名、長じて神父となるが、放蕩三昧・過激な詩・そして秘密結社(「イルミナティ」って聞こえたぞ!この頃の流行みたいな~?「天使と悪魔」でのイルミナティはモデルにはしていますが別個のものとしているらしい)への入団の疑いでヴェネツイアから15年の追放となる。同じくユダヤ人であるカサノヴァはダ・ポンテにもっと自由なウィーンへ渡ることを勧め、サリエリに紹介状を書いてくれるが、ダ・ポンテはモーツァルトと仕事をするようになり、「フィガロ」ののち「ドン・ジョヴァンニ」を製作することになるが・・・

イタリア映画っぽいアモーレミオな映画。天才2人は詩人と作曲家というよりビジュアル系ロックバンドのように見えます。確かに300年前のオペラは今日のビッグヒットの曲あるいは映画のようなものなので、当然彼らもアイドルだったのでしょう。2人がコラボで作品を作り上げていくシーンはオペラのシーンと一体となり、美しく、とても見ごたえのあるものになっています。もちろん、音楽もタップリ聴けます。なぜかヴィヴァルディの「夏」がよくかかっていたような・・・ま、いっか。

カラヴァッジョ」では天才にひざまづかずには居られない凡才がたくさんいましたが、「ドン・ジョヴァンニ・・」では天才をそれと理解できない凡人がたくさん出てきます。才能というものは神から与えられるものですが、神は必ずしも才能=幸福とはしてくださらないものです。天才が孤独のうちに死んでいく場合も少なくはないですが、ここでの2人の邂逅が神の手によるものでなくしてなんだろう・・・と柄にもなくロマンティックな気分になるのに十分な、まさにドラマティックな映画でした。