散歩好き

井の頭公園で犬とまったり。

人生はビギナーズ ☆☆☆

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TOHOシャンテで「人生はビギナーズ」を観てきました。予告では楽しげなコメディーの雰囲気だったのですが、シリアスでした。

オリヴァー(ユアン・マクレガー)の父(クリストファー・プラマー)は妻の死後ゲイだとカミングアウト。末期のガンだというのに積極的に若い恋人を作り、オシャレをし、ゲイのコミュニティーに参加し、と体調とは反比例に楽しい人生をおくり、死んでいった。しかしオリヴァーは運命の女性・アナ(メラニー・ロラン)と巡り合ったにもかかわらず哀しみにとらわれた生き方をしていた・・・

犬のアーサーがかわいくて!!お父さんの犬なのですが、主人を失ったことにより分離恐怖になってしまったらしく、オリヴァーから離れると鳴き叫んでしまうので、どこにでも連れて行かなければならない設定です。

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しかし、アーサーは実はオリバーの投影。上手くいかなかった両親-父との関係を後悔し、悲しんでいた母と、努力(昔、ゲイは精神病で治療すれば治るとされていたらしい。バカバカしい)はしたがやはりだめで、絶望感とともに仕事に打ち込んだ父-によって人生は自分の力ではどうにもならないものという刷り込みをされてしまったオリヴァーは、それでも愛していた両親との別れが頭から離れず、いつも不安と哀しみと諦めとともに生き、心の中ではいつも泣いていたのでしょう。「最初からダメだと思っていたんだよ・・・」

しかし彼は今は亡き父に教えられました。人生をリセットするのに、時期なんて関係ないよ!踏み出せ!心の内をさらけ出せ!欲しいものは欲しいって言え!そしてこわごわとオリバーは・・・

臆病な息子が父によって教えられて人生をリセットする勇気を持つ、と一言で言ったらこうなりますが、そこに至るまでの道程を丁寧にやさしく描いた映画でした。