劇場内は持ち込み禁止です。まあノド飴くらいだったらいいとしても、今日隣に座ったカップルは小袋に入った小さいおせんべい(チーズおかき的なヤツ)をカサカサバリバリする上に、食べる前にアルコールスプレーを2人の手にプシュプシュするのですよ( ｀_ゝ´)ﾑｯそのたびに夢からハッと覚める気分になってホント興醒め。映画代この2人に払って欲しいです。
ピアニストと作家のカップルとは、まるでショパンとジョルジュ・サンドのようなリリカルな組み合わせではないですか。ですがここではもう20年ほどの仲のオッサンカップルなので、口ゲンカもするし皮肉も言う。
そして長い仲であれば当然やってくる別れの時、プライドと愛がぶつかり合う。激しい言葉で言い争う2人、それぞれが想う愛の形の違いにふと涙が…
って時にまたもやアルコールプシュプシュ袋バリバリおせんべいボリボリが始まり、本気でキレそう(ꐦ°᷄д°᷅)になった時、やはり周囲の皆様もそうだったのかジロッ‼️という厳しい視線が効いたらしく静寂が訪れたのであった…
出会いの時に観た美しい星の光のように、そして星がその生命を終わらせる時に放つ美しい光のように美しい思い出とともに旅立ちたいと願う相手の願望を、自分は受け入れることができるのか。
私達から宇宙を見てスーパーノヴァを観測する時、それは単なる美しい天体ショーですが、星本体から見ればそれは世界の終わり。この世界が消滅した時、残された者はいったいどうすればいいのか。居るべきところ、心寄せるところを根こそぎ失って、星屑となりあてどもなく宇宙を彷徨わねばならない孤独に耐えられるだろうか…
最後のシーンでサムが弾くエドガーの「愛の挨拶」。好きだけどサムは絶対弾いてくれないとこぼしていたタスカーへの餞か、逝ってしまったタスカーへ届くようにと祈るいつも交わしていた愛の挨拶か。本当のピアニストではないコリン・ファースの技術はさておいても、しみじみと心に沁みるメッセージでした。
当世きってのイケおじ俳優が夫婦愛を表現。細やかな心理描写が心に沁みる良作です。ふたりのこなれた夫婦っぷりがすごく自然で、愛ある中にも「またかいな💢」と小ギレたりする様子が微笑ましくも身につまされました。
お隣のカップルもどうか他人の心に細やかになってくれ。
